2017,12.6 その姿が印象的で

2017年12月06日

その古家の持ち主は1人ぐらしの高齢の女性である。

今日は彼女が永年住んだ愛着のある古家の話である。

彼女はまもなく老人ホームへ入ることに決まっているそうで。

昭和に建てられたその家は台所の柱に子供の成長をしるした記しがあり

押入れの柱には子供が貼ったシールがそのまま残っている。

洗面所に貼ってある今では見る事もない2センチ×1センチのモザイクタイルも

わずかに欠けていたりして・・・まだ、ここには昭和が残っている。

亡き ご主人が日曜大工で作った棚やカウンターがあり、築55年の風合いの

ある一軒家である。  

しかしながら老朽化が激しく、ついに壊される事に・・・

 

その工事を知リ会いの方から依頼を受けウイングが解体工事を

請け負うことになった。

解体工事が終わる頃、私は現場に作業の確認のために行った。

そこにはベージュのマフラーを首にまき 黒い毛糸の帽子をかぶって

杖をついて1人ちょこんと立っている彼女の姿があった。

彼女は夕日の中、更地になった土地の前で一人たたずんでいた。

小さくなった背中を丸めてなにを想って・・・・

 

その姿が印象的で私はすぐには声をかけられなかった。

後ろからゆっくりと彼女に近づき そしてこう言った。

『すみません。大切な家と 大切な思い出を壊してしまったようですね・・・』

私がそう言うと

『年をとると寂しい事ばかりで・・・』

彼女はため息をつきながらそう言った。

短い言葉だったが重みのある言葉であった。

その時の光景が頭にこびりついて

たぶん私の30年の仕事歴の中でも忘れられない言葉になるだろう。

 

今日はそんな彼女を思いブログを書いてみた。

 

 

                                  by河合

                                    感謝!!